2020 年 22 巻 3 号 p. 222-226
液晶エラストマーは液晶部位を主鎖または側鎖にもつ架橋高分子のことであり,比較的弱い外場に対して素早く応答し大変形する特徴的な物性“Soft Elasticity”をもつことから,新規ソフトアクチュエータ材料として期待されている.しかしながらその大変形のメカニズムの詳細は明らかになっておらず,予測的な材料設計は困難である.本稿では,液晶エラストマーの大変形を再現し得る粗視化分子モデルについて紹介する.また,それを用いた液晶エラストマー分子系の一軸伸長シミュレーション結果について紹介する.