アンサンブル
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22 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
特集「 高分子シミュレーョン I(マルチスケール・ 粗視化) 」
最近の研究から
  • 陣内 亮典
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 22 巻 3 号 p. 231-238
    発行日: 2020/07/31
    公開日: 2021/09/02
    ジャーナル フリー

    機械学習を用いて原子間相互作用モデルを生成する研究が盛んに行われている.この方法では,ポテンシャルエネルギをフレキシブルな関数で表現し,関数中のパラメータを第一原理計算から得られるエネルギ・力・応力を再現するよう決定する.従来のモデルと比較して,多様なポテンシャルエネルギ曲面を高精度に表現できることから,分子シミュレーションの応用を格段に拡張できると期待されている.しかし信頼できるモデル生成に膨大な第一原理計算データが必要であるため,応用対象が限られているのが実状である.最近,この状況を打開すべく,アクティブラーニングを用いてモデル生成を効率化する手法が提案されている.本稿では,この手法の概要といくつかの応用事例を紹介する.

  • 浴本 亨, 小甲 裕一, 苙口 友隆, 池口 満徳
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 22 巻 3 号 p. 239-251
    発行日: 2020/07/31
    公開日: 2021/09/02
    ジャーナル フリー

    近年の構造生物学においては、分解能や特性の異なる構造解析実験手法を組み合わせる相関構造解析によって, タンパク質等生体分子の機能発現メカニズムの解析が行われるようになった. そのため, X 線結晶構造解析が難しいタンパク質であっても, 立体構造の特徴や構造変化の情報について知見が得られるようになってきている. X 線小角散乱(SAXS)実験は, 低分解能ながら, 溶液中のタンパク質分子の概形が得られる有力な手法である. しかし, SAXS データは1 次元の散乱曲線であり, その解釈には, 高分解能な立体構造(変化)の情報が必要である. 本稿では, 低分解能に由来する困難を, 分子動力学(MD)シミュレーションから得られる高分解能情報と相補的に組み合わせる, MD-SAXS 法によって解決した研究について紹介する. 創薬標的タンパク質核内受容体やヌクレオソームについて、それぞれ、全原子モデルと粗視化モデルで溶液構造探索を行った.

連載
博士論文紹介
  • 武田 康助
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 22 巻 3 号 p. 260-264
    発行日: 2020/07/31
    公開日: 2021/09/02
    ジャーナル フリー

    概要 洗浄剤などの開発において,液体の流動性低下などの要因となる界面活性剤のラメラ相の形成は避けなければならない現象である.本研究では,ラメラ相形成を回避するための界面活性剤の合理的な分子設計手法の確立を目指し,最も広く利用されている界面活性剤のひとつである直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)の3 種類のラメラ相の構造を分子動力学(MD)計算およびX 線回折(XRD)実験を組み合わせて調 べた.また,それぞれのラメラ相における個々のLAS 分子の側方拡散,再配向挙動,およびアルキル基の立体配座を調べることで,ラメラ相の相制御に関与し得る分子論的な知見を得た.

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