2020 年 22 巻 3 号 p. 231-238
機械学習を用いて原子間相互作用モデルを生成する研究が盛んに行われている.この方法では,ポテンシャルエネルギをフレキシブルな関数で表現し,関数中のパラメータを第一原理計算から得られるエネルギ・力・応力を再現するよう決定する.従来のモデルと比較して,多様なポテンシャルエネルギ曲面を高精度に表現できることから,分子シミュレーションの応用を格段に拡張できると期待されている.しかし信頼できるモデル生成に膨大な第一原理計算データが必要であるため,応用対象が限られているのが実状である.最近,この状況を打開すべく,アクティブラーニングを用いてモデル生成を効率化する手法が提案されている.本稿では,この手法の概要といくつかの応用事例を紹介する.