概要 洗浄剤などの開発において,液体の流動性低下などの要因となる界面活性剤のラメラ相の形成は避けなければならない現象である.本研究では,ラメラ相形成を回避するための界面活性剤の合理的な分子設計手法の確立を目指し,最も広く利用されている界面活性剤のひとつである直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)の3 種類のラメラ相の構造を分子動力学(MD)計算およびX 線回折(XRD)実験を組み合わせて調 べた.また,それぞれのラメラ相における個々のLAS 分子の側方拡散,再配向挙動,およびアルキル基の立体配座を調べることで,ラメラ相の相制御に関与し得る分子論的な知見を得た.