マイコトキシン
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原著
日本の栽培キノコから分離したSpicellum roseumによる8-デオキシ-トリコテシンの産生
田中 健治ロナルド・ディー・ プラットナー山岸 礼子南澤 正敏真鍋 勝川杉 正一マンフレッド・ ガライス岡田 元
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2001 年 51 巻 2 号 p. 71-77

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抄録
フランスの堆肥から分離された不完全菌Spicellum roseumのタイプ由来株を培養すると,トリコテセン系マイコトキシンを産生することが知られている.桃色かび立枯病を引き起こす原因菌として,我々は長野県のエノキタケ(Flammulina velutipes)から数株のS. roseumを分離した.これら日本産のS. roseumがトリコテセン系マイコトキシンを産生するか否かを調べるために,分離菌株を米培地で培養し,マイコトキシンの分析を行った.EIモード及びCIモードのガスクロマトグラフ質量分析計で8-デオキシートリコテシンを検出し,確認した.しかしながら,赤かび病罹病のムギから検出されるトリコテセン系マイコトキシンとして有名なデオキシニバレノール,3-アセチルーデオキシニバレノール,フザレノン-X及びニバレノールは検出されなかった.
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© 2001 日本マイコトキシン学会
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