油ヤシは食用油生産のために重要な植物である.油を抽出するために果実の成っている枝を収穫する前に,その枝よりも下側の葉はすべて刈り落とされる.この刈り落とした葉の部分を牛の飼料とするための研究が行われてきた.しかしマイコトキシン特にアフラトキシンによる汚染が懸念された.そこで著者らは,乾燥した油ヤシ葉(OPF)およびOFPを含む配合飼料中のアフラトキシン分析法を検討した.アフラトキシンは80%アセトニトリルで抽出し,多機能カラム(MycoSep #228)を通して精製し,TLC又はHPLCにより分析した.アフラトキシンを5~20 μg/kg(アフラトキシンB1,B2,G1,G2を各々)添加した試料での回収率は75%以上で,RSDは10%以下であった.TLCによるOPF中のアフラトキシンB1の検出限界は5 μg/kgであった.10点の100% OPF試料を分析したがアフラトキシン汚染は確認されなかったが,強いアフラトキシン産生能を有する菌をOPFに接種したところアフラトキシンの産生が確認された.