マイコトキシン
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原著
アスペルジルス属菌IFM51759株から得られたフラノン及びピラノン誘導体のアスペルジルス・フミガツスに対する抗真菌活性
駒井 信一郎細江 智夫野沢 幸平オカダ カオルデ・カンポス・タカキ ガルバ・マリア福島 和貴宮治  誠堀江 義一河合 賢一
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2003 年 53 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

新たに分離された糸状菌102菌株の培養エキスについて病原性糸状菌2種および病原性酵母2種を用いて抗真菌性を調べた結果,35菌株に抗真菌活性が認められた.今回は,APBAをはじめとする各種アスペルジルス症の原因菌であるアスペルジルス·フミガツスに対して特異的に抗菌活性を示したアスペルジルス·ベルシカラー·グループに属するIFM 51759株に着目し,その成分検索を行ったところ,3種のピラノン誘導体,アスペルリンとその立体異性体及びアセチルフォマラクトンとともに新規フラノン誘導体エピムサシンDを得たので,その構造を各種機器データの解析から推定した.今回得られた4化合物について抗アスペルジルス·フミガツス活性を検討したした結果,アスペルジルス·フミガツスに対してのみ抗菌活性を示したアスペルリンとアセチルフォマラクトンがその生産量と活性の強さからIFM51759株の活性本体と想定した.また,フラノン誘導体エピムサシンDはピラノン誘導体とは異なり,弱いながらアスペルジス·ニガーにも抗菌活性を示した.

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© 2003 日本マイコトキシン学会
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