マイコトキシン
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原著
ニバレノール及びデオキシニバレノール産生性Fusarium spp. の選抜への酵素免疫測定法の応用
リマイ ヴィクトル芳澤 宅實
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2004 年 54 巻 2 号 p. 79-88

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抄録
ニバレノール(NIV)とデオキシニバレノール(DON)の部分アセチル体,すなわち3,4,15-triacetyl-NIV(TANIV)及び3,15-diacetyl-DON(DADON)に対して高い特異性を示す2 種類のモノクローナル抗体(KTM-205-POD, KTM-240-POD)を用いて,Fusarium spp. のNIV 及びDON 産生能を検討した.16 菌株のF. graminearum を白米培地で培養し,培養抽出液中のNIV,DON 及び関連誘導体を部分アセチル化してTANIV もしくはDADON に誘導化してから,競合的直接ELISA 法により定量した.また,GC-MS により培養物中のトキシン濃度を定量した.ELISA とGC-MS による定量値の相関はr2 = 0.9875(p<0.001)であり,本ELISA(カットオフ値,25 mg/kg)がNIV 及びDON 産生菌の迅速かつ簡便な選抜法として適用できることが示された.
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© 2004 日本マイコトキシン学会
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