マイコトキシン
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炭素源利用能データベースによる食品由来カビの識別・同定
一戸 正勝梅原 佑佳瀧川 緑松丸 恵子
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2006 年 56 巻 2 号 p. 85-90

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抄録
穀類加工品などの菌類の分布調査において分離されたPenicillium 菌株などを対象に、分離菌の炭素源の資化性の差異を利用して菌種の同定を行う、MicroLog system (BIOLOG社)を適用した。各ウェルに95種類の炭素源を付加したカビ検索用96穴プレートFF MicroPlateに一定量の供試菌分生子懸濁液を接種後、25℃で培養し、48時間、72時間、96時間経過したときの各ウェルの発色をフィンガープリントとして、プレートリーダーで読取り、接続したコンピュータに設定したデータベースにより菌種の同定を行った。 一般に形態学的観察のみでは同定の難しいとされるPenicillium類のうち、マイコトキシン産生菌として知られるP. citreonigrum, P. citrinum, P. expansum, P. islandicum 及び P. verrucosum などがMicroLog systemの適用で同定が可能であった。しかしながら、重要なマイコトキシン生産菌であるAspergillus flavus, A. parasiticus, A. nomius に関してはMicroLog systemでは正確な同定ができなかった。
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© 2006 マイコトキシン研究会
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