マイコトキシン
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分子生物学的手法を用いたカビ同定法について
久米田 裕子
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2006 年 56 巻 2 号 p. 77-84

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抄録
近年,カビの同定にも分子生物学手法が使用されるようになってきた.標的遺伝子として分類・同定に最もよく使用されているのがリボゾームRNA遺伝子(rDNA)である.本稿では筆者らが考案した迅速簡便なAspergillus section Flavi の種の同定法であるHeteroduplex Panel Analysis(HPA)法を中心に紹介する.また,最近,苦情食品等から分離したカビを同定する方法として,BLASTプログラムによるrDNAのホモロジー検索が利用されるようになってきた.これは16S rDNAの情報により分類体系が再構築されている細菌でよく用いられている同定法である.本稿では、分子生物学的手法でカビを同定する場合の利点と限界点についても考察する.
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© 2006 マイコトキシン研究会
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