マイコトキシン
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特別講演
ポリグルタミン酸の機能と活用
ポリグルタミン酸架橋体による汚濁水清澄化を中心として
谷口  誠
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2009 年 59 巻 2 号 p. 83-93

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抄録
納豆の糸引き成分であるポリグルタミン酸にガンマ線を照射して調製したポリグルタミン酸架橋体は,河川や湖沼の汚濁水を清澄化した.この作用の発現には汚濁水検体をアルミニウムイオンで前処理しておく必要があるが,検体の種類如何によって不必要な場合もあった.そこで,汚濁の原因成分と考えられる土,微生物,化学物質の代表的ないくつかを懸濁液や溶液にし,アルミニウムイオンによる前処理の有無とポリグルタミン酸架橋体の清澄化作用の関係について検討した.その結果,汚濁水の清澄化には凝集沈殿作用が伴っており,その凝集には静電気的な相互作用が密接に関与していると推察した.
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© 2009 日本マイコトキシン学会
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