マイコトキシン
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第72回学術講演会シンポジウム「Aspergillus nigerおよび黒麹菌の系統解析とマイコトキシン産生」
食品中のフモニシン汚染の新たな展開
Aspergillus niger による産生―
田端 節子
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2013 年 63 巻 2 号 p. 191-199

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抄録

 フモニシン(FM)は,発ガン性のあるマイコトキシンで,同属体が 20 種類以上ある.FM は Fusarium 属菌が産生し.トウモロコシに汚染が多いと考えられてきた.しかし近年,遺伝子解析の結果,Aspergillus niger が FM 産生遺伝子を有することが分かり,その産生能が調査された結果,A. niger が FMB2,FMB4 を産生することが判明した.また,ブドウなどから FMB1 のない FMB2,FMB4 の汚染が報告され,A. niger による自然汚染発生が示唆された.分析上の問題点があるが,今後,A. niger による FM の食品汚染について,さらに調査が進むことが期待される.

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© 2013 日本マイコトキシン学会
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