マイコトキシン
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菌類,主にカビ,と付き合って40年
河合 賢一
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2014 年 64 巻 2 号 p. 183-196

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抄録
  1974年に研究対象として以来約40年間菌類,特にカビと付き合ってきた.その間,Emericella striataからの大環状マイコトキシンemestrinの単離を端緒に多くのEmericella属菌の成分検索を実施した.さらに,前記以外の菌類の成分検索を行い,たとえば,Talaromyces derxiiからアオカビの青色色素のもととなると考えられるtalaroderxineを得た.後半15年では「さび病菌の冬胞子形成誘導物質の解明」や「重篤な輸入真菌症の原因菌の成分検索」を手掛けたが,いずれも中途で終わってしまったのが残念である.最後に,Malbranchea filamentosaからmalbrancheoside類というトリテルペン配糖体,いわゆる,サポニンが単離できたことは私にとって光栄なことである.
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© 2014 日本マイコトキシン学会
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