マイコトキシン
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ジクロルボス-アンモニア(DV-AM)法とシングルコロニーAMアッセイを用いた本邦さとうきび圃場からのAspergillus novoparasiticusの検出
久城 真代畑林 秀美中川 博之矢部 希見子
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2020 年 70 巻 2 号 p. 51-56

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抄録

 DV-AM法とシングルコロニーAMアッセイを用いて沖縄県のさとうきび圃場土壌中のアフラトキシン産生菌の再スクリーニングを行った.前回我々は,土壌試料の1つから2株のアフラトキシン産生菌を単離し,それらはともにAspergillus nomius cladeに位置するAspergillus pseudonomiusであった.今回,同じ土壌試料を用いて再スクリーニングを行った結果,多くのAF生産株の中で,異なる形態と毒素産生性を持つ1株を見出した.分子系統解析により,本株はAspergillus flavus cladeに位置するAspergillus novoparasiticusの近縁種であった.本菌種の本邦での検出報告は初めてである.以上のように,DV-AM法とシングルコロニーAMアッセイは,圃場土壌に生育するアフラトキシン産生菌の多様性の解明に適用できる.

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© 2020 日本マイコトキシン学会
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