マイコトキシン
Online ISSN : 1881-0128
Print ISSN : 0285-1466
ISSN-L : 0285-1466
バクテリア・リポポリサッカライドによる免疫病変―発症機序と治療薬について
永井 博弌
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 1994 巻 40 号 p. 5-8

詳細
抄録
バクテリア・リポポリサッカライド(Bacterial lipopolysaccharide;LPS)はバクテリアが産生する強力な毒素であり,種々の生理活性を示す.その生物学的活性は主に生体に存在するマクロファージに作用してサイトカイン(モノカイン)やアラキドン酸代謝産物,活性酸素あるいは酵素類などを産生遊離して発現する.この時適切な量のメディエーターが産生されれば生体の免疫系を活性化して生体防御的に働くが,大量になると生体を障害して種々の病変を紹来する.LPSがマクロファージに作用する時には細胞表面の特別なリガンド(CD 14)に結合して細胞を活性化する.しかし,その詳細な機序や病態およびそれらの抑制薬については不明である.本研究ではE.coli由来のbacterial LPSをマウスに静注して発症する肝障害の発症機序およびその治療薬,さらにLPSをモルモットに吸入させて生じる気道反応性亢進の発症機序と治療薬についてそれぞれ検討したので報告する.
著者関連情報
© 日本マイコトキシン学会
次の記事
feedback
Top