抄録
昨年の未曽有の米の不作から『外国産米』の輸入が行われ,41年ぶりで『カビ米』の問題がわれわれの身近な問題として感じられる事になった.私にこの主題が与えられたのも,この事が原因であろうと考える. 私は浦口健二先生によって進められた『黄変米研究』に関して「化学の面」でお手伝いした経験から,先生がP.islandicum菌を対象として進められた『中毒学的研究』に示されたリーダーシップと,この研究を支えられた角田廣先生の功績について回顧を行い.『協力研究としてのカビ毒研究の模範となる一例』について述べたい.