日本流体力学会誌「ながれ」
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流体ジェットの滴生成に関する数値的研究
河村 哲也高見 頴郎海老 豊
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1982 年 1 巻 3 号 p. 285-298

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抄録
本論文は, 微小なノズルから噴き出す非圧縮性粘性流体の滴生成の過程を, 非定常のナビエ-ストークス方程式を差分法を用いて数値的に解くことにより解析したものである.
本研究で用いた差分スキームは本質的にはMAC法と同じであるが, 液滴生成には表面張力が本質的な役割を果すと考えられるので, MAC法のスキームを改良して自由表面の形状を簡単でしかも精密に評価できるようにした.そしてこの計算法を用いて, ジェット内部の速度場と圧力場の計算を行ない, 自由表面の時間的形状変化を, 液滴が生成されるまで追跡した。
ナビエ-ストークス方程式を線形化した解析計算では取扱いが困難であったノズル入口での大きな速度その他のパラメーターの変化を, 現象の非線形性を考慮した上で計算に取り入れ, 計算結果と実験結果を比較・検討した.
計算と実験は良い一致を示す, これによって液滴形成の過程を純粋な数値計算により予測することが可能になった.
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