抄録
一様な流れにおいて, 断面辺長比 (d, 主流方向長さ;h, 高さ) がd/h=0.4, 0.5, 0.6の2次元矩形柱の背圧時間変化を測定した.d/h=0.5は不規則な時間間隔で交互に高, 低2つの背圧値を示した.高い方はd/h=0.4, 低い方は臨界断面d/h=0.6の背圧値にほぼ等しい.このとき周囲流を観察すると, 高, 低2つの背圧値に対応して, 弱い渦形成および非常に強い渦形成を示す2種類のフローパターンが存在し, これらが不規則に入れ替わって出現した。すなわち臨界断面d/h=0.6に至るまで, 矩形柱の周囲流はd/hの増加とともに連続的に変化するのではなく, d/h=0.5付近で, 臨界断面としての周囲流が間欠的に現れる過度的なd/hの範囲を経ながら, 不連続的に臨界断面フローパターンへ移行することが明らかになった.