本研究は、福島原発事故の発生に伴う避難指示等の解除後における原発被災12市町村の公共交通の現状と課題を明らかにすることを目的とするものである。帰還者には比較的元気な高齢者が多いため、自分で自動車を運転して近隣市町村にまで行き、買い物や通院を済ましているが、将来的には、自動車を運転することに不安を感じている者が多い。このため、今後は、それぞれの市町村において持続可能な公共交通のあり方について検討する必要があること、また、福島県と市町村が緊密に連携して総合的な観点から広域公共交通のあり方について検討する必要があると考えられる。