2011 年 100 巻 10 号 p. 2888-2901
NSAIDsは関節リウマチ(RA)治療において,早期から疼痛緩和のため補助的に使用される.関節破壊抑制作用はないが,ADL(activities of daily living)およびQOL(quality of life)を改善・維持させる.抗リウマチ薬や生物学的製剤などの効果が発現するまでの橋渡し,DMARDsの効果が不十分な場合の補助薬として使用される.疾患活動性が抑えられれば,長期連用はできるだけ避け,減量,中止することが大切である.消化管障害,腎障害,心血管障害などの多彩な副作用が存在する.COX-2阻害薬は消化管障害が有意に少ない.NSAIDsの特徴,薬物相互作用などを勘案して症例に応じた適切な薬剤を選択する.