日本内科学会雑誌
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I.診断
3.24時間血圧測定の必要性
苅尾 七臣
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2011 年 100 巻 2 号 p. 357-366

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抄録

24時間血圧測定(ABPM)では,夜間睡眠中や昼間のストレス状況下を含めた24時間血圧コントロール状態に加えて,サーカディアンリズムやモーニングサージなど血圧変動性の評価ができる.これらのABPMの血圧指標は,家庭血圧測定では得られない個人の血圧特性を表し,診察室血圧とは独立した心血管リスクとなる.糖尿病,慢性腎臓病,臓器障害,睡眠時無呼吸症候群等を合併したハイリスク患者では,診察室血圧が正常でも血圧変動性が増大しており,夜間・早朝高血圧が多い.24時間血圧特性をABPMで評価し,個別高血圧診療に活かすことにより,ハイリスク患者の心血管リスクがさらに低減するであろう.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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