日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
脳脊髄液減少症
松本 英之宇川 義一
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2011 年 100 巻 4 号 p. 1076-1083

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抄録

脳脊髄液減少症は,従来,低髄液圧症候群と呼ばれていた疾患とほぼ同一の病態の疾患である.その病態が脳脊髄液の減少に起因すると考えられるため,脳脊髄液減少症がより適切な疾患名となっている.脳脊髄液の減少により,頭痛,頸部痛,めまい,耳鳴,視機能障害,倦怠・易疲労感など様々な症状を呈する疾患と定義される.本疾患の診断に有用な画像診断法には,頭部MRI(magnetic resonance imaging)やRI脳槽・脊髄液腔シンチグラムが挙げられ,治療は安静臥床,輸液による保存的治療と硬膜外自家血注入療法が一般的である.脳脊髄液減少症は未だ医療関係者の間でも十分に認識されているとは言い難く,しばしば誤った診断,治療がなされている.現在,厚生労働省の班会議「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究」で,脳脊髄液減少症の診断・治療指針(ガイドライン)の作成を目標とした研究が進行中であり,その調査結果が待たれるところである.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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