日本内科学会雑誌
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今月の症例
11月熱 福島県中南部におけるタテツツガムシ媒介性つつが虫病
成田 雅鵜沼 菜穂子伊藤 文人佐藤 憲行星野 智祥井上 実山本 正悟安藤 秀二藤田 博己
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2012 年 101 巻 1 号 p. 164-167

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抄録
タテツツガムシによるつつが虫病の臨床像は多彩で見逃されることが多い.病歴(好発時期と好発地域,野外活動歴),バイタルサインと身体所見(発熱,比較的徐脈,発疹,刺し口)から積極的に疑い,疑わしければ直ちにテトラサイクリン系抗菌薬にて治療を開始すべきである.血清学的にはKawasaki型あるいはKuroki型のOrietia tsutsugamushi抗原に対する抗体価の上昇が特異的であるが,これらは一般的な外注検査での抗体価測定には含まれないことに注意する.痂皮の遺伝子学的検査も特異性が高く有用である.
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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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