日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
神経変性疾患の診断バイオマーカーの進歩
笠井 高士徳田 隆彦
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2012 年 101 巻 11 号 p. 3247-3255

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抄録
代表的な神経変性疾患における生化学的バイオマーカーについて主として髄液・血液中の候補蛋白を解析した報告を概説する.Alzheimer病(AD)については髄液中のAβ42,総タウ,リン酸化タウが,診断および予後判定バイオマーカーとして現時点での世界標準であり,髄液中Aβオリゴマーは,ADの病態を反映した新規の診断および重症度判定バイオマーカーとして期待できる.Parkinson病(PD)については髄液中α-シヌクレイン(α-syn)の低下,DJ-1の低下が報告されており,α-synについてはα-synオリゴマーの測定と併用することで診断精度を高めることが期待できる.筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)については髄液中TDP-43の上昇が報告されている.PDおよびALSにおけるバイオマーカー研究は殆どが単一施設からの報告であり,今後は標準化されたプロトコールに基づく多施設共同のコホート研究によって再現性が検証される必要がある.
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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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