日本内科学会雑誌
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101 巻, 11 号
選択された号の論文の36件中1~36を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 感染症:診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.特殊環境における感染症
II.アウトブレイクとその対応
  • 新庄 正宜
    2012 年 101 巻 11 号 p. 3114-3122
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/10
    ジャーナル フリー
    日本におけるインフルエンザの基本的診療スタイルは,新型インフルエンザ対策行動計画にそって一時的に変更されたが,2009年春のA(H1N1)pdm09のパンデミック前後で大きく変化していない.迅速検査の改良,抗インフルエンザ薬選択肢の増加はあるが,迅速抗原検査で発症早期に診断し,抗インフルエンザ薬で早期に治療することが,国内では一般的である.一方,世界においては,2009年のパンデミックにおいて,生来健康な患者が重症化したり,早期治療が効を奏したという報告をもとに,生来健康なインフルエンザ患者への治療や,早期の抗インフルエンザ薬治療が,ようやく注目されるようになってきた.
  • 宮下 修行
    2012 年 101 巻 11 号 p. 3123-3128
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/10
    ジャーナル フリー
    市中肺炎(CAP)診療において考慮すべき病原微生物は肺炎球菌と非定型病原体であり,欧米の肺炎ガイドラインでは作成当初から両者をカバーする抗菌薬の選択を推奨し,現在もその考え方が踏襲されている.一方,市中で発症するものの医療・介護関連肺炎(NHCAP)では,マイコプラズマの関与は低い.マイコプラズマ肺炎は非定型肺炎の中でも最も頻度が高く,実地医療ではマクロライド耐性株を含めマイコプラズマを認識する必要がある.
  • 菊池 賢
    2012 年 101 巻 11 号 p. 3129-3133
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/10
    ジャーナル フリー
    百日咳は主に乳幼児に重篤な咳嗽発作(whoop)をきたす百日咳菌(Bordetella pertussis)による呼吸器感染症として,古くから知られている.ワクチン普及後,急速に患者は減少したが,ワクチンで予防できる疾患としては唯一,1990年代以降,先進国を中心に増加に転じた.中でも際立つのが思春期以降の成人百日咳の増加である.百日咳の感染サイクルの中心は今や小児から成人へ移ったと考えられる.典型的な小児の痙咳期であれば百日咳を疑うことは難しくないが,成人百日咳は慢性咳嗽以外の症状に乏しく,その実態はほとんどわかっていない.新たに思春期への使用が開始され,成人への接種も検討され始めたTdapは期待されるが,ワクチンの効果は概ね10年で消失すると考えられており,現在の成人主体の感染サイクルをどう断ち切るか,再投与のタイミングを含めた成人への接種プロトコールの整備が急務になっている.百日咳制御のためには,成人百日咳の診断基準の確立,国際的な動向調査の実施と成人向けワクチン戦略の早急な設定が必要である.
  • 吉田 正樹
    2012 年 101 巻 11 号 p. 3134-3142
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/10
    ジャーナル フリー
    多剤耐性緑膿菌,多剤耐性アシネトバクター,基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌,ニューデリー・メタロβ-ラクタマーゼ1産生菌,KPC産生菌などの薬剤耐性グラム陰性桿菌が,世界中で発生し急速に拡大してきている.これらの菌に有効性が期待されるチゲサイクリンやコリスチンなどの薬剤は,国内では承認されていない.適切な治療薬がない現状では,これらの感染症を拡大させず,感染制御することが重要である.
III.新興・再興感染症
IV.感染症制圧にむけて
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 高林 克日己
    2012 年 101 巻 11 号 p. 3239-3246
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/10
    ジャーナル フリー
    本稿では医療情報学がどのように内科学と関係し,また今後どのように寄与するであるかを概説する.現在の病院情報システム,電子カルテの普及率,実際に進行しつつある様々なオーダエントリーシステムと電子カルテの入力について,またEHR(electronic health record)やPHR(personal health record)について最近の医療情報学会のトピックスを紹介し,基本的な医療情報の専門用語を解説しながら述べる.さらに臨床支援システム,データマイニングなど医療情報学の近未来,EHRとゲノムなどbioinformaticsとの関係について述べる.
  • 笠井 高士, 徳田 隆彦
    2012 年 101 巻 11 号 p. 3247-3255
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/10
    ジャーナル フリー
    代表的な神経変性疾患における生化学的バイオマーカーについて主として髄液・血液中の候補蛋白を解析した報告を概説する.Alzheimer病(AD)については髄液中のAβ42,総タウ,リン酸化タウが,診断および予後判定バイオマーカーとして現時点での世界標準であり,髄液中Aβオリゴマーは,ADの病態を反映した新規の診断および重症度判定バイオマーカーとして期待できる.Parkinson病(PD)については髄液中α-シヌクレイン(α-syn)の低下,DJ-1の低下が報告されており,α-synについてはα-synオリゴマーの測定と併用することで診断精度を高めることが期待できる.筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)については髄液中TDP-43の上昇が報告されている.PDおよびALSにおけるバイオマーカー研究は殆どが単一施設からの報告であり,今後は標準化されたプロトコールに基づく多施設共同のコホート研究によって再現性が検証される必要がある.
専門医部会
シリーズ:内科医に必要な救急医療
第13回専門医部会北陸支部オープンカンファレンスまとめ
シリーズ:「一目瞭然!目で見る症例」
シリーズ:考えてみよう 臨床クイズ 問題
シリーズ:日本発臨床研究の紹介と反省点を語る
シリーズ:指導医のために:プロフェッショナリズム
シリーズ:内科医と災害医療
シリーズ:考えてみよう 臨床クイズ 解答
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内科学会からのお知らせ
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