日本内科学会雑誌
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II.医療の質測定と改善
5.医療の質の測定と改善:欧米諸国の現状
長谷川 友紀
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2012 年 101 巻 12 号 p. 3448-3454

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抄録

医療の質向上の方策としては,構造,過程,結果に着目した方法,第三者評価・認定が代表的である.各国では,さらに情報公開,診療報酬などを併用しながら質向上を進めることが通例である.医療では,(1)データが断片化されており相互利用が困難,(2)患者の個別性,重症度の調整が困難,(3)評価手法の開発は個々の施設の評価に留まっていること,などにより,これまでは適切に評価を行い,改善に結び付けることが困難であった.今後は,データの標準化,医療機関が改善につなげやすい還元方法の開発,医療機関への支援策の検討が優先して行われる必要がある.

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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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