2012 年 101 巻 4 号 p. 1069-1071
29歳,男性.歩行中の意識消失発作にて救急搬送.来院時神経学的所見正常.心房細動,心機能低下に加え,血清フェリチン異常高値,肝酵素上昇を認めた.本例は13歳時にhereditary hemochromatosis(HH)と診断,加療されるも19歳時より自己中断.HHによる心機能障害と考え,心不全の薬物治療に加え除鉄を施行.遺伝子検査にてHemojuvelin(HJV)遺伝子異常によるHHと診断.加療により血清フェリチン,肝機能,心不全症状は改善し外来通院中である.