2014 年 103 巻 10 号 p. 2449-2456
成人Still病(adult Still's disease:ASD)は弛張熱,関節痛・炎,リウマトイド疹,リンパ節腫脹などを特徴とする関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の類縁疾患である.その病態形成には遺伝的素因,自然免疫系,獲得免疫系が関与する.治療の基本薬は副腎皮質ステロイドであり,抵抗例では免疫抑制薬を併用する.近年,IL-1β, IL-6, TNFなどの炎症性サイトカインの異常が明らかとなり,それらを標的とする生物学的製剤が難治例の治療に導入され,高い有効性が報告されている.