2014 年 103 巻 10 号 p. 2578-2580
後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)の患者では,CD4陽性リンパ球数の減少により,種々の感染症や悪性腫瘍を合併するが,中枢神経が標的になることも少なくない.我々は,PCNSL(primary central nervous system lymphoma)を合併したAIDS症例で,非典型的な検査所見のため,進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)との鑑別に苦慮した例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.