抄録
医療技術を評価し,対価として支払われる報酬である診療報酬は,学会などからの提案書に基づき,医療技術評価分科会で検討・評価されている.その提案書は各学会で作成され,内科系学会社会保険連合(内保連)または外科系学会社会保険委員会連合(外保連)で別々にまとめられ,提出される.内視鏡を扱う医療行為は検査以外に様々な処置・手術があり,内科・外科ともに扱うことが多く,内保連と外保連と合同での検討が必要である.そのため,内保連・外保連合同での「内視鏡における適正な診療報酬に関するワーキンググループ」が設立された.消化器・呼吸器・泌尿器・女性器・頭頸部領域における軟性管腔内視鏡を用いた検査・処置・手術を対象とする横断的な試案作成を目指すという基本方針のもと,22の学会が参加し,種々の項目について実態調査を行い,独自の内視鏡試案の作成を行っている.内視鏡以外でも,このような共同の取り組みが必要であることは多く,今後もこのような取り組みが発展していくものと期待する.