2014 年 103 巻 2 号 p. 293-298
Fabry病は,α-galactosidase A活性の欠損・低下によってひき起こされるX連鎖性遺伝のライソゾーム病であり,腎不全・心不全・脳血管障害にて中年期以降に死亡する進行性の疾患である.心病変では肥大型心筋症様の肥大を呈し拡張障害を認め,さらに進行すると収縮不全によって難治性心不全をきたすことが知られている.従来までの対症療法に代わり,本邦でも2004年から根本治療である酵素補充療法が可能となり,臨床の場において本疾患を認識し鑑別することは重要と考えられる.