2014 年 103 巻 7 号 p. 1609-1612
悪性貧血は自己免疫化生性萎縮性胃炎による壁細胞の減少が病因であり,内因子の分泌減少によるビタミンB12の吸収障害によって巨赤芽球性貧血が発生する.胃壁細胞および内因子に対する自己抗体が検出され,壁細胞が発現するH-K-ATPaseが抗壁細胞抗体の標的抗原である.ビタミンB12欠乏による非造血系の障害として末梢神経障害,亜急性連合性脊髄変性症,Hunter舌炎がみられる.自己免疫化生性萎縮性胃炎は胃がんおよび胃カルチノイド腫瘍の高リスクである.悪性貧血の治療はビタミンB12の非経口投与である.