日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
心臓限局性サルコイドーシスの臨床像
磯部 光章
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2015 年 104 巻 1 号 p. 120-127

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抄録
サルコイドーシスは多臓器に非乾酪性肉芽腫を生ずる原因不明の全身性疾患であり,心臓病変は予後を左右する重要な合併症である.最近,臨床的に心病変を呈しながら他臓器に臨床症状を認めない心臓限局性サルコイドーシスが存在することが報告され,注目を浴びている.臨床的問題点としては,サルコイドーシスの診断を心臓だけの所見から行わなければならない困難さと生命予後がよくないことが挙げられる.心筋生検組織の病理診断の感度は非常に低く,陰性であっても本症を否定し得ない.最近,心エコーに加え,心臓MRI(CMR)やFDG-PET/CTを併用した多種の画像診断で特徴的な所見がみられることが明らかになりつつある.治療面では副腎皮質ステロイドが炎症の鎮静化に有効であると考えられ,また,不整脈の治療も選択肢が広まっていることから早期の診断が必須である.
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© 2015 一般社団法人 日本内科学会
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