2015 年 104 巻 1 号 p. 42-47
fecal microbiota transplantation(FMT)は中国や欧米で昔から行われていた.最近になり,腸内細菌叢のDNA解析によって腸内細菌叢の乱れ,すなわちdysbiosisが消化器疾患をはじめ,種々の疾患に関与しているということがわかってきた.そのdysbiosisを是正する目的で,FMTがClostridium difficile感染症をはじめとして,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD),過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS),慢性便秘,肥満などのメタボリック症候群に施行されてきている.