日本内科学会雑誌
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I.診断・病態解明における最近のトピックス
4.生体リズム障害と肥満症
山岡 正弥下村 伊一郎
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2015 年 104 巻 4 号 p. 710-716

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抄録

ヒトを含む哺乳類では時計遺伝子により生体リズムが形成されている.それらの生体リズム障害を引き起こす代表例であるシフトワーカーでは肥満,代謝異常の発症リスクを増加させることが報告されている.またノックアウトマウスを用いた検討でも時計遺伝子異常と代謝異常の関連が報告されている.生体リズム障害とくに時計遺伝子異常がどのようなメカニズムで肥満症の病態に悪影響を及ぼしているのかは更なる調査が必要であるが,肥満,代謝異常合併者への対策には,生体リズムの改善といった観点からもアプローチが行われるべきである.

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© 2015 一般社団法人 日本内科学会
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