2016 年 105 巻 1 号 p. 92-98
症例は36歳,女性.発熱,嘔吐,下痢症状に続いて筋肉痛,四肢脱力が生じ,ショック状態となり,救急搬送.全身性浮腫と血液濃縮所見,低アルブミン血症,筋逸脱酵素の上昇を認め,血管透過性亢進による循環血漿量減少性ショック及び横紋筋融解症と診断した.大量補液とカテコラミン,アルブミン,ステロイドホルモンの投与を行い,病状は改善した.約3年前より程度の差はあるが,数カ月おきに同様のエピソードを繰り返していた.除外診断を行い,IgG-κ型のM蛋白血症を認めたことからSystemic capillary leak syndrome(SCLS)と診断した.