日本内科学会雑誌
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今月の症例
十二指腸乳頭や小腸にも特徴的な病理組織学的所見を有し,ステロイド治療により改善した自己免疫性膵炎の1例
嶋村 藍今本 栄子大瀬 琢也堀江 隆介尾藤 展克千藤 麗岸本 悦子大野 智之安藤 貴志
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2016 年 105 巻 10 号 p. 2012-2019

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抄録

70代,男性.肝機能異常にて当科を受診した.自己免疫性膵炎と診断したが,腹部CTで終末回腸の壁肥厚も指摘された.CFを施行し,同部の生検組織で多数のIgG4陽性形質細胞浸潤を認めた.小腸病変を合併した自己免疫性膵炎と診断し,治療にて画像所見,病理組織所見ともに改善した.自己免疫性膵炎の膵外病変が指摘されるにつれ,IgG4関連疾患の概念が提唱されているが,小腸病変の報告は少ない.膵外病変にも留意し,精査することが重要である.

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© 2016 一般社団法人 日本内科学会
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