日本内科学会雑誌
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今月の症例
呼吸不全を来たし,肝肺症候群と診断した1例
森野 杏子小林 誠一赤羽 武弘玉渕 智昭矢内 勝
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2016 年 105 巻 7 号 p. 1282-1286

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抄録

82歳,男性.I型呼吸不全を認め,当科入院となった.肝硬変,肝細胞癌の既往があることから,慢性肝疾患に伴う肺内シャントの存在を疑った.肺血流シンチグラフィー,100%酸素吸入法によるシャント率測定,コントラスト心エコーにより肺内シャントの存在が証明された.呼吸不全の原因を肝肺症候群と診断し,在宅酸素療法を導入した.慢性肝疾患患者における呼吸不全の原因として,肝肺症候群を念頭に置く必要がある.

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© 2016 一般社団法人 日本内科学会
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