2017 年 106 巻 10 号 p. 2136-2142
巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)は,合併症の多い高齢者に好発する疾患である.従って,巨細胞性動脈炎に対する治療を標準的ステロイド大量療法で行うと,多くの合併症を増悪・併発させ,QOL(quality of life)や生命予後の著しい低下を招いてしまう.感染症を含む合併症予防管理等の継続的マネージメントが重要である.最新の分子標的薬等の開発とその臨床応用は,GCAの寛解導入・寛解維持療法におけるステロイド依存からの脱却を可能にするかもしれない.