我が国の抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎に対するマネージメントの対象はほぼ高齢患者である.欧米での推奨と異なり,我が国ではANCA関連血管炎診療では,免疫抑制薬の併用割合が低い.これは高齢者には腎障害が多いといった我が国のANCA関連血管炎患者の特徴を反映している一方で,副腎皮質ステロイドに依存している可能性もある.リツキシマブやアバコパン等新たな分子標的薬が登場している現在,副腎皮質ステロイドの使用方法を含め,より安全性の高い治療を選択していく必要がある.