2017 年 106 巻 4 号 p. 725-734
高トリグリセライド(triglyceride:TG)血症,低HDLコレステロール(high density lipoprotein-cholesterol:HDL-C)血症はそれぞれ動脈硬化促進因子である.高TG血症ではレムナントやsmall dense LDL(low density lipoprotein)などの動脈硬化を促進するリポ蛋白が増加する.スタチンによる脂質低下療法を行っても残存する高TG血症や低HDL-C血症に対する治療は特に重要である.エネルギー摂取量の適正化を基本とした食事療法や運動療法とともに,ストロングスタチンやフィブラート,ω-3系脂肪酸製剤の有効性が示され,アポリポ蛋白C-IIIに作用する新規薬剤の開発も進んでいる.