2017 年 106 巻 5 号 p. 1012-1018
若年女性2例が嘔気,発熱などを主訴に受診.対症的に加療されたが,経時的に右季肋部痛を生じた.造影CT(computed tomography)では早期相で肝被膜下濃染像を認め,血中Chlamydia trachomatis抗体陽性および子宮頸管擦過物よりChlamydia trachomatis抗原を検出,Fitz-Hugh-Curtis syndrome(FHCS)と診断した.若年女性では原因の特定に至らない右季肋部痛が経時的に生じた場合,FHCSを念頭に置き,造影CT検査を検討する必要がある.