劇症型溶血性レンサ球菌感染症による急性心膜心筋炎を発症した1例

小林 勇介; 久米 輝善; 玉田 智子; 古山 輝將; 今井 孝一郎; 山田 亮太郎; 根石 陽二; 上村 史朗

doi:10.2169/naika.106.1446

今月の症例

劇症型溶血性レンサ球菌感染症による急性心膜心筋炎を発症した1例

小林勇介, 久米輝善, 玉田智子, 古山輝將, 今井孝一郎, 山田亮太郎, 根石陽二, 上村史朗

著者情報

キーワード: A群β溶連菌（GAS：group A streptococcus）, 劇症型溶血性レンサ球菌感染症（STSS）, 急性心膜心筋炎

ジャーナルフリー

2017 年 106 巻 7 号 p. 1446-1453

DOI https://doi.org/10.2169/naika.106.1446

詳細

抄録

71歳，女性．発熱，全身倦怠感，右上肢の腫脹を主訴に受診し，心膜摩擦音，心電図上ST上昇，心囊液貯留から急性心膜炎と診断した．心タンポナーデ，軟部組織壊死を認め，血液培養検査でA群β溶連菌を検出し，劇症型溶血性レンサ球菌感染症（streptococcal toxic shock syndrome：STSS）と診断した．多臓器不全の進行により，第2病日に死亡した．剖検上A群β溶連菌の直接心筋浸潤を確認し，STSSによる急性心膜心筋炎を発症したと考えられた．

責任著者(Corresponding author)