日本内科学会雑誌
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今月の症例
抗ganglionicアセチルコリン受容体抗体が陽性を呈した全身性無汗症の1例
兒玉 憲人﨑山 佑介小迫 拓矢武井 藍中村 友紀橋口 昭大道園 久美子松浦 英治中根 俊成髙嶋 博
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2018 年 107 巻 1 号 p. 95-102

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抄録

42歳,男性.全身の発汗低下を主訴に受診した.起立性低血圧や頻尿を伴い,広汎な自律神経障害が示唆された.皮膚生検で汗腺及び血管周囲にリンパ球浸潤を認め,抗ganglionicアセチルコリン受容体抗体陽性が判明した.通常,同抗体は自己免疫性自律神経節障害(autoimmune autonomic ganglionopathy:AAG)の原因となるが,汗腺への直接作用は明らかでない.本症例には汗腺と自律神経節障害の両者の特徴が混在し,ステロイド治療が有効であった.

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© 2018 一般社団法人 日本内科学会
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