日本内科学会雑誌
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今月の症例
胸部CTでの乳腺腫大所見から POEMS症候群の診断に至った1例
前川 理沙勝又 淳子関 大成日出山 拓人佐藤 望平 賢一郎清水 潤椎尾 康
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2018 年 107 巻 11 号 p. 2316-2323

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抄録

症例は39歳,男性.亜急性に進行する下肢筋力低下で入院した.末梢神経障害を認め,ステロイドで改善したが,減量開始から1年で症状が再燃した.再入院時の胸部単純CT(computed tomography)にて乳腺腫大を認め,女性化乳房がPOEMS(polyneuropathy,organomegaly,endocrinopathy,M-protein, skin changes)症候群(Crow-Fukase症候群)を疑う契機となり,血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の高値や骨硬化性病変等から診断に至った.胸腹水や浮腫はなく,M蛋白は陰性であった.骨病変に対する放射線治療のみで良好な経過を得た.本例は女性化乳房の検出に胸部CTが有用であった.

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© 2018 一般社団法人 日本内科学会
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