症例は71歳,男性.66歳のときに浸潤型胸腺腫と診断し,化学療法を施行した.プレドニゾロンの投与により病勢制御を図っていたが,腫瘍は緩徐に増大していた.初診より4年後,全身に急速に悪化する紅斑を認めた.皮膚生検の結果,皮膚GVHD(graft-versus-host disease)に矛盾しない所見が得られ,TAMA(thymoma-associated multiorgan autoimmunity)と診断した.TAMAは予後不良の病態であり,発症の機序として中枢性及び末梢性の免疫寛容の破綻が考えられている.