2018 年 107 巻 3 号 p. 586-592
2009年,血糖値を連続して測定するCGM(continuous glucose monitoring)機器が我が国において承認された.現在,測定したデータをダウンロードして結果を閲覧するCGM機器については,2機種が承認されている.一方,直近の測定値が画面に表示されるリアルタイムCGM機器に関しても,2017年9月に保険点数が確定した.持続皮下インスリン注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion:CSII,通称:インスリンポンプ)機器に,リアルタイムCGM機能を追加したsensor augmented pump(SAP)については,2014年から国内での使用が可能となった.さらに,人工知能を活用し,両者を連動させる機器の開発も進行しており,アメリカでは実用化されている.これらの機器の導入により,糖尿病患者における療養指導及び血糖コントロールは,新時代に突入することになるであろう.我が国の糖尿病患者におけるさまざまな負担を少しでも軽減してくれるように,本稿で触れた機器がそのポテンシャルを十分に発揮できる環境が整えられることを強く望む.