2018 年 107 巻 4 号 p. 674-680
Cushing症候群(Cushing's syndrome:CS)は,慢性的なグルココルチコイド過剰状態により,特異的症候,糖・脂質・骨代謝異常,高血圧等の非特異的症候を呈する全身疾患である.まず,医原性Cushing症候群を除外し,次にACTH(adrenocorticotropic hormone)自律分泌の有無をチェックすることが重要である.また,副腎性subclinical Cushing症候群の新診断基準が作成された.治療抵抗性の合併症(高血圧,全身性肥満,耐糖能異常,骨密度低下,脂質異常症等)を有する場合は副腎腫瘍摘出を考慮する.