日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
MRI IDEAL IQによる肝内鉄沈着の評価が有用であった肝ヘモクロマトーシスの1例
鈴木 康秋伊藤 啓太上原 聡人上原 恭子久野木 健仁藤林 周吾芹川 真哉
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 107 巻 5 号 p. 923-930

詳細
抄録

 68歳,男性.肝障害精査にて当科受診.トランスフェリン飽和度,血清フェリチンが高値のため,鉄過剰症が疑われた.肝MRI(magnetic resonance imaging)IDEAL(Iterative Decomposition of water and fat with Echo Asymmetry and Least-squares estimation)IQのR2*MapによるR2*値が著明に高く,高度の肝内鉄沈着所見を呈した.肝組織生検の鉄染色では,肝実質細胞内に高度の鉄沈着をびまん性に認め,肝ヘモクロマトーシスの診断となった.MRI IDEAL IQによる新たな鉄測定法は,ヘモクロマトーシスの非侵襲的検査法として有用である.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top