日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
新規抗てんかん薬の特色と臨床的有用性
重藤 寛史
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2018 年 107 巻 6 号 p. 1108-1114

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抄録

2016年,AMPA(α-amino-3-hydroxy-5-methylisoxazole-4-propionic acid)型グルタミン酸受容体拮抗作用をもつペランパネル(perampanel),ナトリウム・チャネルの緩徐な阻害作用をもつラコサミド(lacosamide)が本邦で発売開始となった.それ以前にも,本邦では2006年以降,ガバペンチン(gabapentin),トピラマート(topiramate),ラモトリギン(lamotrigine),レベチラセタム(levetiracetam)の4つの抗てんかん薬が発売となっている.ラモトリギン,レベチラセタムは催奇形性が少なく,ラモトリギンは部分発作,強直間代発作に対して,レベチラセタムは部分発作に対して単剤使用できるため,この2剤は第一選択薬として使用される頻度が高くなっている.ラコサミドはカルバマゼピンと同等の発作抑制作用を持ち,薬疹及び相互作用が少なく,単剤投与可能のため,今後,部分発作の第一選択薬として選択される機会が増えてくると思われる.ガバペンチン,トピラマート,ペランパネルは難治性てんかんの併用薬としての有効性が期待される.

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